SILK PR-7

「輪行車PRシリーズを現在の解釈で製作する」のがテーマ。メーカー時代に特許を取得してある、緩衝装置付き4節リンク機構のオリタタミ車(GIANT MR-4)の機構を元に700c泥除け付きのモデルと決めた。

PR-7のヘッド /分割ハンドル

ヘッドセットはカンパのA-HEADセットだが、トップキャップ&アンカーは使用せず、コラムの上部1cm程度ネジを残し、ローレット切ったキャップをトップキャップの代わりの使用している。 アンカーが不要になっているので、コラムの中にパイプ状の小物入れを入れてある。 ローレットのキャップはダニエル・ルブールのイラストの中に良く出てくる、TOEIの60年代ロードに見事にイラストの世界が再現されている、このタイプの中にウスが有る物でも引き上げ棒を短くして小物の入るスペースを確保している物もある。
 又、スレッドのヘッド小物でありながら、ステムはウスを使用せずA-HEDステムを同じクランプ固定にしてローレット切ったキャップの中にパイプ状の小物入があるイラストも有って、古くから軽量化とパイプの中の有効活用のためのアイデアは多く有ったと推測できる。 しかし、A-HEADが一般化したのに係わらず、スレッドレスと言われコラムのネジが無視され、コラム内部のスペースの有効活用は今だになされていなかった。パイプ内部の有効収納は片倉シルクの後輩で世界一周サイクリストの鈴木氏が得意とする方法だ。 実際に作って、組み付けて見ると、ローレット部の外形は40mm程度ないとヘッドの調整が出来ない、小さい方が見た目は良いがヤハリ機能が優先、過去のコピーではなく、過去と現在を知り新しい物を作るのが本来の在り方と思う。 元々はこの小物入れではなく、電池を入れて、キャップの上にはスイッチを付け、フロントキャリアに小型LEDライトを装着も検討したが、輪行状態にする時にフロントホークを裏返すので、今回これは無しになりました。

PR-7の分割ハンドル

ドロップハンドルを輪行状態に収納するのは、その形状から場所に困る。やはり分割する事になる。ステムのクランプ部から2つに分けるのが一般的だ。 GIANT MR―4は元々有った分割ハンドルを使用した。これはグリップシフトをドロップに取付けるための物でステムクランプ部は22.2になっている。このため専用ハンドル以外は使用できないのが、弱点だ。
PR-7は一般的な25.4のハンドルを使用出来る様にして分割してある。ハンドルを真中から切断してからナカゴパイプを片側に接着して、逆側はピンで位置を決める。
ステムのクランプ部の穴は固定の状態を見るための穴です。 ハンドルが左右に分割されているので、固定も左右両方を締める必要がある、このためステムはクランプ部の長い形状になるので、双胴のステムにした。 双胴ステムも古くから有る、ハンドルの分割のためではなく、カンチブレーキのワイヤー取り回しより来たデザインだが、今回は分割のためのデザインだ。

PR-7のブレーキ周り/リアキャリア


ブレーキ周り


リヤキャリア

PR-7はオリタタミ時にBB部のメインピボットを中心に、回転してフロントホークに後輪が入り込むの、ワイヤー類はメインピボットの部分を通過させ、ワイヤー類は一切外す事無く畳める。 変速ワイヤーはBBを通過するのは普通なので問題ないが、後ろブレーキのワイヤーはBBから回すので泥除けに添っている2本のパイプに内装して、ブレーキの直ぐ上から出る、ガイドパイプの流れを良くするためアウター受けを延長する小物を追加した。 ドロップレーバーにVブレーキはレバー比が違うので、急制動する、今回は幅を狭くできるVを採用した。ミニV85mmなら制動は少しは改善するが、70mm以下のミニVが有れば、レバー比も同じになり良いのだが。

リヤキャリア

PR-7のリヤキャリアはステンレス製です、いままではフロントキャリアをФ6の肉厚0.5で製作している、今回はФ8で肉厚0.5当然、太く薄くなると曲げは難しくなる。
ステンレスはクロモリ並みの強度があり、錆びないのでキャリア等には最適な素材だ、最近は肉薄の物が食品のメカトロ用に生産されていて、入手も楽になった。
0.5mmだとTIGでの溶接はかなり難しく、ロー付けで接合している。研磨仕上げでピカピカにするのにも鉄の磨きより硬いので手間が掛る。
PR-7は折り畳んだときの自立のためにリヤキャリアを取付けた。両サイドに輪行袋を取付けキャスターをつけてスーツケースの様に運べる。